アイズの独り言

こんにちは前野です。

「ランドナーで峠へ」の2回目は京都府南丹市と福井県大飯郡おおい町の県境に位置する堀越峠を紹介します。

前回紹介した旧花背峠は京都北山の峠でしたが今回取り上げる堀越峠は京都の市街地から遥か北、京都府南丹市と福井県大飯郡おおい町の境にある標高510mの峠です。

花背峠を取り上げたので次も北山の峠にしようと考えていたのですが、堀越峠に3週連続で走りに行く機会がありましたので記憶が新しいうちに紹介させていただきます。

 

花背峠と堀越峠、位置関係からして2つの峠に共通点は無さそうですが、実はどちらも福井県嶺南地域と京都を結ぶ鯖街道に含まれる峠なのです。
花背峠が小浜市と京都市を結ぶ針畑越えの峠であるのに対して、堀越峠は西の鯖街道と呼ばれる鯖街道の中で最も西側を通るルートの一部であります。
鯖街道について調べてみると国道367号線を通る若狭街道、琵琶湖の湖西を通る近江路、花背峠やおにゅう峠を含む針畑越、そして堀越峠が含まれる西の鯖街道とバリエーションに富んでいるいことが分かります。こちらWikipediaの記事ですが鯖街道についてまとめられています。

 

 


さて、堀越峠ですが1974年に堀越トンネルが開通し峠は未舗装の旧道として通行可能な状態で残っています。今回はその旧道を楽しみに京都から走りに行きました。

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南丹市美山町和泉から国道162号線への分岐

京都市内を午前6時に出発して御経坂峠、栗尾峠を経由して京北へ。国道162号線は山間の道ながら交通量が多いので土日や通勤時間帯は避けるようにしているのですが、朝早くなら交通量も少なく快適です。
京北で一旦国道162号線を離れ神楽坂トンネルを経由して美山町和泉へ。ここでまた国道162号線に合流します。
和泉の丁字路を堀越峠へは小浜名田庄方面へ左折します。右折すると九鬼ヶ坂峠を越えて道の駅美山、かやぶきの里方面になります。

 

綺麗に整備された国道162号線を北上する

堀越峠までは綺麗に整備された2車線の道が続きます。途中通過する集落もバイパスされているので最短距離で進むことが出来ますが、自転車なら旧道の集落内をゆっくり通過するのが土地の空気を少しでも感じられていいのではないでしょうか。

 

堀越峠区間の標識

峠区間標識の後も勾配が緩いままなので峠を登る実感が無いままダラダラと登っていきます。

 

 

堀越峠旧道入り口の看板

小さいですが西の鯖街道の案内板もあります。後述しますが、福井県側の路肩が一部崩れている箇所があったので自動車が入れないように三角コーンが置いてありました。

 

京都府側堀越峠旧道入り口

京都府側の旧道入り口にはわかりやすい目印がありません。堀越峠区間に入ったら右側に気を向けて走っていれば見つけられるはずです。堀越トンネルの約1㎞手前になります。

 

左に国道162号線、右手に棚野川

旧道入り口からしばらくは川沿いに走りやすい砂利道が続きます。序盤はかつて国道であったことを感じさせる物はありません。

 

国道162号線から見た旧道

 

未舗装路とガードレール

1つ目のヘアピン付近から路面は荒くなり、ロードバイクでも走れるような砂利から写真のような粒の大きい石が目立つようになります。トンネル開通以前のものかは不明ですがガードレールが残っています。

 

緩やかな勾配のままコーナーを繰り返して登っていく

路面状況は標高を上げるにつれ改善していきます。今回もランドナーのタイヤは650×42Bに軽量650Bチューブレールの組み合わせ。未舗装路対応且つ舗装路での走りが良いのでお気に入りの組み合わせです。

 

 

堀越トンネルに延びる自然歩道

堀越トンネルに下りる自然歩道が整備されています。担ぎになりそうなので今回はパスしました。

 

木陰が多いので峠近くの路面は湿っている

登りの中盤辺りまでは乾いた路面が続いていましたが峠近くになると泥濘が現れました。この辺りもガードレールが設置されています。

 

泥除けとマッドフラップ

落ち枝の多い林道ではフルサイズの泥除けとマッドフラップはトラブルの原因になる場合もあるのでダート走行に特化するのであれば付けないという選択肢もありますが、自分の場合はブルべなどで天候問わず走ることもあるので泥除けとフロントのマッドフラップは外せません。

雨が降っていなくても山間部の路面は湿っていることが多いので路面からの飛沫を防げますし、前輪が巻き上げる砂粒や埃などがチェーンに付着するのを軽減し潤滑を長持ちさせる効果もあります。付着する汚れが少ないので帰宅してからの掃除もロードの半分以下の時間で済みます。

 

マッドフラップは市販品ではなく、厚さ2mmのゴム板から切り出しています。より軽量な黒いクリアファイルや厚さ1mmのゴム板で作ったこともあるのですが、素材の特性上前者は割れやすく後者は下りでスピードを出すと風をはらんでバタついて泥水をまき散らすので現在の2mm厚に落ち着きました。

堀越峠 標高510m

砂利道を楽しみながら登っているうちに峠に到着。
京都府側は石垣で補強されています。堀越峠を示す看板はありません。

 

堀越峠福井県側から

尾根をくりぬくように道が通されています。国道の旧道というよりは林道の峠の雰囲気ですね。

 

峠に残る標識の支柱

堀越峠にある唯一(?)のオブジェクトは道路標識だったと思われる鉄柱が2本。

堀越峠旧道福井県側の下り

福井県側にはガードレールが無く、京都府側で辛うじて感じられた旧道感がほとんどありません。
ヘアピンコーナーもあれば長い直線もある走りごたえ抜群の下りダートです。

 

福井県側下りのストレート区間

 

福県側下りの中ほどにある分岐

峠からしばらく下っていくと1か所分岐があります。旧道の続きは右側。左の支線を進むと…

 

旧道から延びる支線は林業の作業道?

先程の分岐を左手に進むと道幅は徐々に狭くなり、勾配とガレ具合が増して乗車不可能になりました。地図で見ると国道162号線に繋がっていそうなのですが乗車できないので引き返しました。

 

福井県側路肩崩壊箇所

旧道に引き返してからまたしばらく下っていくと道が半分ほど崩落しています。これだと自動車が通るのは厳しいですね…
堀越峠旧道を走っている間に出会ったのはバイク2台、ハイカーの方1人と鹿3匹。

 

旧道堀越峠福井県側の入り口

無事にダートを下りきって国道162号線に合流。

ここから下れば道の駅名田庄があります。自然薯が特産のようで、道の駅のレストランでは自然薯を使った料理が提供されています。ここで一息ついて高浜や小浜に抜けて海を見てから輪行で帰るのもいいと思います。
この日は昼過ぎから用事があったので、国道を登り返して堀越トンネル経由で京都市内の自宅へ戻りました。
行きの所要時間は堀越峠旧道京都側入り口まで2時間40分、帰りは下り基調なので寄り道しなければ2時間半くらいで帰れそうです。

 

福井県側の旧道入り口の目印、おおい町のモニュメント。

福井県側の旧道入り口の目印はおおい町の青いモニュメントです。向かいに旧道の入り口があります。

 

福井県側を堀越トンネルまで登り返す

国道162号線の京都側は勾配緩やか、のんびりペダルを回していたら堀越トンネルに到着する具合です。写真の福井県側は堀越トンネルから道の駅名田庄までコーナーが連続するダイナミックな峠道です。

 

旧道入り口から登り返して堀越トンネルに到着。

1974年に開通した堀越トンネル。古いトンネルなので暗く路面は荒れています。
トンネル開通以前は自動車で峠越えをするのは大変だったでしょう。
今日走ってきた旧道から車が往来していたであろう半世紀近く前の情景を思い浮かべるのは難しいですが、錆びついたガードレールに峠に残っていた鉄柱、石垣など名残を感じることはできました。

 

堀越トンネル京都側、峠の標識

 

もう少し周辺を探索したいところですが京都に帰ります。

162号線を辿っていくと九鬼ヶ坂峠-道の駅美山―深見峠を通過しますが、府道12号-府道368号-府道19号を経由して京北まで行くと登りが減り距離も短くなります。

 

栗尾峠からの展望

こちら栗尾峠も数年前に京北トンネルが開通して旧道化し、現在は自転車歩行者専用道となっています。
車が来ないのでとても静か。京北を見渡せる展望台にはベンチがあるのでついついのんびりしてしまうお気に入りの場所です。
栗尾峠でひとやすみして昼過ぎに京都市内に帰ることが出来ました。

今回取り上げた堀越峠往復サイクリングの後に同じ自転車でもう1回、700Cロードで1回(未舗装の旧道は登らずトンネルを通過)行ってきました。

700Cロードと堀越トンネル

後に行った2回とも堀越峠を越えて小浜まで行って昼食。午後はおにゅう峠で滋賀県入りし国道367号線経由か久多峠-花背峠経由で京都市内へ帰る約200㎞のコースを楽しみました。


京都市内から堀越峠、小浜、おにゅう峠を巡るロングコース

 

 

堀越峠が何度も走りたくなる魅力を持っているのと、京北美山を含めた京都府内を走るよりも堀越峠以北の福井県嶺南地域を走る方が非日常感が増すので楽しいんですよね。
アイズバイシクルのある京都市内から堀越峠まで60㎞以上あるのでお気軽にどうぞとは言えませんが、帰りを輪行するプランにすれば京都から自走して楽しめますよ。

 

まずはアイズバイシクルスタートの100㎞プラン。

アイズバイシクル-堀越峠旧道-若狭高浜駅100㎞

 

序盤は交通量の多い国道162号線を極力避けつつ京見峠、栗尾峠、原峠などの峠を通って堀越峠へ向かいます。
距離は約100㎞、交通量の少ない早朝に出発して道中を楽しみ昼過ぎに高浜着、海の幸を味わって輪行して帰るのはいかがでしょうか。(JR小浜線は本数が少ないので注意!)
帰りは若狭高浜から京都まで約3時間の電車旅。心地よい疲労感であっという間に夢の中でしょうか。

 

 

もう一つ、約60㎞の輪行プランも考えてみました。

和知駅-堀越峠旧道-若狭高浜駅60㎞

京都駅から輪行で1時間20分の和知駅がスタート地点。美山の田園風景、由良川沿いの景色を楽しみながら国道162号線に向かいます。堀越峠旧道を通り石山坂峠を下るのは100㎞プランと同じですが、最後の登り区間をトンネルに差し替えたので登りが苦手な方でも楽しみながらゴールの若狭高浜駅まで走れるはずです。

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陽が長いこの時期だからこそ少し遠くの峠を目指してサイクリングするのはいかがでしょうか。走行計画を建てて必要な装備をフロントバッグに詰めていく時間は楽しいものです。

7月は何処の峠へ行こうか。皆様のおすすめの峠がありましたら教えてください。

まえの


グランボアのチェンリング「サンクフィーユ」に新しい歯数のリングが追加されました。

10速以上のフロントシングルにご使用いただけるナローワイド版の36Tです。可能な限りフロントシングルのメリットをいかせる歯数の選択が可能になるようひと廻り小さな歯数を用意しました。

 

実際弊社専務の自転車にはこのナローワイドの36tに10速の11-36を組み合わせて使っています。これをマイクロシフトのR47のメカでカバーしてしまっています。変速機のメーカースペックには随分と糊代があるものですね。

 

 

 

 

もうひとつは好評だった「サンクフィーユダブル」を新たにオリジナルのインナーリングを製作して定番化しました。

 

アウターの43Tに対してインナーは27Tと奇数歯の組み合わせになりました。5visタイプのクランクの直接留めによるダブル化という荒業ですが8速までであれば十二分に使用できます。噂では10速化された方もいらしゃるとか。

 

是非活用してみてください。

 

 

 

 

親方


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